【感想】『仮面ライダーゼロワン』ソコに悪意があるから感動する(ネタバレ注意)

特撮・アニメ

この記事は『仮面ライダーゼロワン』の終盤のネタバレがあります。未視聴の方は自己責任でお願いします。

『仮面ライダーゼロワン』が良かったのか悪かったのかを一言で語るのは難しい。

何か感想をいえば、誰かに否定されるかもしれない。

しかし、誰に何と言われようとも、自分の心が揺さぶられた事実は大事にしたい

物語終盤、仮面ライダーアークワンの誕生は、僕にとって本当に衝撃的な出来事だった。

主人公が闇落ちして事実上のラスボスになる。

この文字を読んだだけでも衝撃的だが、僕の心が揺れたのはそんな単純な理由ではない。

ソコに悪意があったから感動したのだ。

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悪意は感染する、誰にでも

主人公・飛電或人は人型AIロボ・ヒューマギアを作る会社の社長にして、人とヒューマギアの共存を夢見る青年である。

しかし、彼の語る夢は他人からはほとんど理解されない。

人とヒューマギアはあまりにも違いが多すぎる。

しかも、ヒューマギアは暴走して襲いかかる危険性もある。

それでも「ヒューマギアは悪くない」と訴える或人社長は、良くいえば善意の塊だといえるが、悪くいえば盲目的だといえる。

そんな或人にビンタするような出来事となったのが、ザイアとの「お仕事5番勝負」である。

或人にとってヒューマギアの存続をかけた大事な勝負だが、その勝負は公平と呼べるものではなかった。

ザイアからの不正や妨害の数々に加え、ヒューマギアが人間の悪意をうつされ暴走し、人々にヒューマギアの不信感をさらに植えつける結果となった。

そして、ヒューマギアだけでなく、前線で戦ってきた或人も人間の悪意に晒され続けてきた。

劇中では「悪意は感染する」と表現されており、後の展開を考えれば、或人に何の影響も出ないはずがないのだ。

なぜ或人の闇落ちは必要だったのか?

或人がアークワンになったきっかけは、ヒロインのイズが破壊されたことだ。

社長秘書ヒューマギアであるイズは或人にとって唯一の理解者だった。

シンギュラリティに達して感情を学習するようになったイズ。

そんなイズと或人が同じ夢を追いかける関係性は、或人が目指す「人とヒューマギアの共存」を実現させるための証明だといえる。

イズは他のヒューマギアと異なりバックアップがない。

つまり、或人は唯一の理解者を失っただけでなく、それまで信じて積み上げてきた夢まで破壊されたことになるのだ。

或人は夢を実現するために、ヒューマギアにも心があると訴えてきた。

しかし、善の立場から良いことを言うだけではただの綺麗事になってしまう

或人はアークワンになり、同じく仲間を失ったヒューマギア・滅と悲しみや怒りをぶつけ合う。

同じ悪意の感情を学び、痛みを分かち合い、一緒にそれを乗り越えることで、或人が目指す「人とヒューマギアの共存」はより強いものになるのだ。

だから、或人の闇落ちは必要だったと考える。

最後に

僕の心が揺れたのは、主人公が闇落ちしたからという単純な理由ではない。

良くも悪くも綺麗事しか喋れなかった或人に悪意が芽生えたことで、初めて等身大の人間として魅力を感じたからだ。

或人の言葉は最初あまり響かなかったが、今になると少しずつわかってきたような気がする。

どれだけ周りに否定されようとも、これからも或人社長は夢に向かって飛んでほしいと切に願う。

(文・西森圭人)

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