【感想】『戦姫絶唱シンフォギア』戦場に立つ少女の歌に込められた剝き出しのエモーション

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本題に入る前に、まずはこの曲を1番だけでも良いので聴いてほしい。

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次に、この曲を聴いてほしい。

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同じメロディーでも、歌う人によって曲名や歌詞が違うのがわかるだろうか。

「ふーん」としか感想が出ないだろうが、今回の記事の重要なポイントになるので、覚えておいてほしい。

さて、今回紹介する『戦姫絶唱シンフォギア』は、シンフォギアという装備をまとった女の子たちが「歌いながら戦う」というユニークなアニメである。

西森圭人
西森圭人

わかりやすく言うとミュージカルのようなもの

僕はこのアニメに熱いたぎりを感じる程ドハマリした。

なぜ熱くなれたかというと、歌うことで登場人物たちの剥き出しの気持ち(エモーション)を殴るようにストレートに伝えてくれるからだと考える。

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真の敵は怪人ではなく「人間同士の不和」

シンフォギアをまとう女の子「装者」は、「ノイズ」と呼ばれる、触れるだけで人間を炭素化させる異形の敵と戦っている。

さらに、ノイズとの戦いだけではなく、人間同士の不和や衝突も同時に描かれていた。

主人公・立花響は、とある事件に巻き込まれたことで、天羽奏のギア「ガングニール」を受け継ぎ、シンフォギア装者となった。

戦姫絶唱シンフォギア 公式サイト ― キャラクター:立花 響 ―
少女の歌には、血が流れている―――『戦姫絶唱シンフォギア』

正規の訓練を受けていない一般人の響は、最初はノイズとの戦いに苦戦する。 

だが、それ以上に響を苦しめたのは、同じシンフォギア装者との衝突である。

同じ組織に所属する先輩の風鳴翼は、最初は奏のギアを使う響を否定し、2人はギクシャクした関係が続いていた。

また、後に仲間となる雪音クリスは、最初は敵として響や翼の前に立ち塞がった。

西森圭人
西森圭人

あの頃の翼とクリスはとにかく尖っていました

響は訓練して強くなりながら、ひたむきに翼やクリスに向き合っていく。

響の戦い方は拳で殴るスタイルだが、時にはその拳を開いて、敵であっても手を繋ごうとする「対話による解決」も見られた。

そんな響を後押ししたのは、彼女の胸に秘めた歌である。

歌は自分の気持ちを伝える手段

ここで冒頭に聴いてもらった2曲を思い出してほしい。

さっき『シンフォギア』が「歌って戦うアニメ』だと述べたが、実際に劇中では、響や奏は戦いながらあれらの曲を歌っている。

察しの良い人は、メロディーが同じなのは2人が同じ「ガングニール」をまとっているからだと予想できるだろうが、注目してほしいのは歌詞が違うことだ。

『シンフォギア』の歌には、装者の心象心理によって歌詞が頭に浮かび上がってくるという設定がある。

西森圭人
西森圭人

ギアはカラオケ装置のようなもの

つまり、あれらの歌詞は、響や奏の気持ちが乗せられているのだ。

言い換えれば、響は奏からガングニールを受け継いだが、「奏の代理」ではなく「立花響」として戦うことを表している。

響の歌に「繋ぐ手と手」「君と紡ぐ」など、人と人を結びつける歌詞が多いのが、その証明である。

響は戦士としても人間としても未熟だが、歌を通して、自分の剥き出した気持ちを嘘偽りなくぶつけてくる。

西森圭人
西森圭人

物理的に直撃するパンチでもあるが……

だから、翼やクリス、周りは感化されたのではと考える。

最後に

『戦姫絶唱シンフォギア』は、ただ「歌って戦う」だけのトンチキなアニメではない。

歌って戦うことで、自分の本音と相手の本音を「響き合わせ」、絆を紡いでいく熱い作品なのだ。

その熱さがこもった拳に殴られた人たちの胸には、これからも彼女たちの歌が流れ続けるだろう。

(文・西森圭人)

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