日本を代表する怪獣シリーズ『ゴジラ』が今年で70周年を迎えました。
・ゴジラを全く観たことがない
・1〜2回ほど観たけど、しばらく観てない
今回はそんな人たちに向けて「初心者にオススメしたいゴジラ作品」を紹介します。

前提として初心者が観るべき作品に正解はなく、タイトルやパッケージを見て、気になる作品を選んで良いと思います
僕は特撮ファンであると同時に、仕事でゴジラに関わる機会があったので、その視点に基づいて紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
そもそもゴジラって何ですか?
ゴジラの設定は作品によって異なりますが、ほとんどのゴジラは「人間の水爆実験に巻き込まれた生物」という共通点が挙げられます。
水爆に耐えられるだけでなく、人類の兵器が基本的に通じない、水中や火山の中も移動できるなど、驚異的な生命力を持ちます。
核兵器を使った人類への罰、自然災害、過去の戦争の怨念など、作品によって表現が変わります。

つまりは「人間の恐怖の象徴」ですね
観たい作品を選ぶ時に注意してほしいこと
ゴジラ作品は、続編として世界観が繋がってる作品もあれば、繋がってない作品もあります。
難しく考える必要はなく、ざっくり言えば『メカゴジラの逆襲』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』じゃなかったら何を選んでもいいです。
(今は覚えなくていいですが)一応例を挙げて説明すると、
①『ゴジラ(1954年版)』←初代
②『ゴジラvsビオランテ』
③『ゴジラvsデストロイア』
④『ゴジラ×メカゴジラ(2002年版)』
⑤『シン・ゴジラ』
①は②③④と繋がっている
②は①③と繋がっている
③は①②と繋がっている
④は①のみ繋がっている
⑤はどことも繋がっていない
ややこしいですが、(僕の経験上)興味を持ってシリーズを追いかけたら気にならなくなるので、とりあえず今は頭の片隅に置いておくだけで大丈夫です。

詳しくは後述しますが、先に初代ゴジラを観る必要もないです。
次から、おすすめ作品を5つ紹介します。
①『ゴジラ-1.0』(2023年公開)
まずはやっぱりこれ!
皆さん記憶に新しいであろう『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』です。

米アカデミー・視覚効果賞を受賞した、(個人的に)ゴジラ入門にうってつけの作品です。
終戦直後の日本を舞台に、戦争帰りの男たちの「命を粗末にした戦い」から「生きるための戦い」への変化が描かれます。
ある程度の映画通なら予想しやすそうな展開や伏線はありますが、それが返って余計な着色がなく、安心して観られます。
世界を唸らせたVFX技術と、仕組まれたように上げては落とされる神木きゅんの「ゴジ泣き」は必見!
②『ゴジラvsビオランテ』(1989年公開)
世界観が繋がった平成ゴジラシリーズの第1作目で、ファン人気が高い作品の1つです。

前日譚の『ゴジラ(1984年版)』を観なくても楽しめます。
「ゴジラ細胞」争奪戦の中で愛する娘を失った白神博士は、ゴジラ・薔薇・人間(娘)の遺伝子を組み合わせた怪獣「ビオランテ」を生み出してしまいます。
バイオテクノロジーの脅威を伝える大人向けなストーリーや、多くのゴジラファンを魅了したビオランテの幻想的で禍々しい存在感が特徴です。
また、黒木特佐、権藤一佐をはじめとする自衛隊の活躍も外せません。
③『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年公開)
ファンからGMKと呼ばれ、他のゴジラ好きブロガーやYouTuberからよく名前が出てくるほど人気作品の1つです。
過去の戦争の怨念として生まれたゴジラに、護国三聖獣(モスラ、キングギドラ、バラゴン)が立ち向かいます。
この作品のゴジラは残忍かつ悪の存在として徹底され、眼は白目で、意図的に人類への殺戮を始めます。
また、劇中で「危機感のない人間」が多く登場しており、「平和ボケした日本人」が強調されているのもポイント。
かなりシリアス寄りですが、ゴジラの暴れっぷりが観たい人には押さえてほしい作品です。

当時『ハム太郎』の映画と同時上映で、ハム太郎キッズを絶望に突き落としたとか……
④『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年公開)
ここで僕の1番好きな作品を紹介します。
自衛隊の家城茜が、メカゴジラこと3式機龍を操り、過去に因縁のあるゴジラにリベンジを挑むお話。
メカゴジラも作品によって設定が異なりますが、2002年版のメカゴジラは、初代ゴジラの骨格をメインフレームにして作られた人類側の兵器として登場しました。
ヒーローであり、暴走の危険も秘めた機龍を通して、「兵器なのか、それとも生命なのか」という葛藤が描かれます。

暴走してビルに突っ込むシーンと、出撃して病院を助けるシーンは、機龍の二面性が感じられて好きです。
自己肯定感が低い家城茜の変化や、機龍を「同じ命あるもの・仲間」として共に戦う姿にも注目です。
続編『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』とあわせて観てください。
⑤ 『シン・ゴジラ』(2016年公開)
最後に紹介するのは、ご存知の方も多いであろう『シン・ゴジラ』。
アニメ『エヴァゲリオン』の庵野秀明氏が総監督を務めた作品です。
「もし本当に日本にゴジラがやってきたら?」を再現し、日本の政治システムや他国との駆け引きなどの社会派ドラマが盛り込まれています。
姿を変え進化するゴジラは、登場人物達にとって「災害のように予測できない脅威」として表現されているのもポイント。

例えばゴジラの放射熱線は、劇中の人達からしたら「初見殺し」なんです!
キャストの早口演技や進行の早さも含めて、リアリティ溢れる災害パニック映画としてオススメしたいです。
第1作目は観なくていいの?
後の作品の分岐点になることが多い初代ゴジラですが、必ず観なければいけないわけではないです。
白黒の古い映画なので、1本目に観るにはハードルが高いかもしれません。
今は焦らなくて大丈夫です。ゴジラが好きになれば必ずどこかで通る道なので。
『ゴジラ』はその時代その時代にあわせて作風を変え、バラエティに富んだシリーズになっています。
ぜひ、この機会に色んなゴジラ作品を楽しんでください!
(文・西森圭人)
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